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11年11月01日

スタッフコラム『連帯経済国際会議に参加して』

カテゴリー:信頼資本日記

【「Occupied運動はモントリオールにも-若者に占拠されたモントリオール公園-】

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みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか?

今回のコラムはカナダのうモントリオールで書いています。2011年10月17日から20日に行われたFIESSという連帯経済の国際会議の 発表者の一人として参加,ちょうど自分自身の発表を終えて少しほっとしたところです。 FIESSは連帯経済に関する世界的規模で行われたはじめての国際会議です。 約1,300名,60ヶ国以上から参加者が集った大きな会議となりました。
連帯経済自体の研究は さまざまな形でこれまでも行われており,各地域で国際レベルの会議は行われているようですが, 世界中を参加対象とした今回は,連帯経済の世界においても歴史的な記念すべきものであったようです。

 私の発表は日本のNPOバンクについてで,私の他に日本からは生活クラブ生協の方が発表されました。 連帯経済の研究の中では日本の生活クラブ生協の活動は過去に発表されたことがあるらしく, 優れたシステムの1つとして認識がされているようです。 連帯経済という概念は,類似したものはあるものの日本では非常に新しいのではないかと思います。 連帯経済については私も初心者であり,世界レベルの認識と一致しているのか,あるは事実を ありのまま理解できているのかは自信のない部分もあるのですが,敢えてそれらを横に置き, ここモントリオールで体験した内容(聞きかじったものも含めて)を,会場の熱気とともに以下に お伝えしたいと思います。

 連帯経済については主に南米やアフリカを中心にダイナミックな活動が行われています。 世界的な定義は現在ない状態ですが,国レベルでいくつか定義がなされているものがあり, また連帯経済法のように法令が整えられた状況で積極的に推進されているものもあるという ことです。アジアでは韓国で連帯経済の法令が整備されたと聞きます。草の根の一人ひとりの 活動から大きなうねりを生んでいるこの連帯経済の流れは,フェアトレードやマイクロファイナンス も含めた,これまでの資本主義に変わる社会の新しい枠組みとして期待されています。 

現在ウォール・ストリートで若者を中心に占拠が行われていますが,この流れは連帯経済を 推進する人々にとって,相通じる感覚の活動のようです。現在モントリオールの公園では若者が 同じようにその場を占拠し,テントを張って泊り込みが行われています。FIESSの参加者の多くが その場に合流して彼らを激励するとともに,この会議の後にそれぞれの国へこの新しい流れを 生み出してゆこうと訴える場面も見られました。 こうした流れを社会的に受け入れる姿勢が見られたことも印象的でした。

FIESSではモントリオール市長,他国の要人がこれらの活動を支持する声明を発表しています。政治的にこのような流れを受け入れる姿勢は,日本の現状からは想像し難いものがありましたが,逆に言えばこのような新しい流れについて政治を司る側としても認めないわけにはいかない状況にあるということなのだと思います。 FIESSの発表者として今回参加した私にとって大切だったのは,このようないわゆる発展途上国を中心とした新しい流れのリアリティを体感することができたことに加えて,発表することによって さまざまな方が日本の状況に関心を持った事実です。正直,日本のNPOバンクのスケールはまだ小さいため,研究の1つとして面白い分野ではあるとは思っていましたが,日本のNPOバンクが抱えているものと同じ問題を持っている国の方々からの質問が寄せられ,是非もっと知りたい,あるいは情報交換をしたいと求められたのは予想外のものだったからです。 今後,このような問題意識の高い人々とネットワークを張り,新しい世界の動きとともに日本の社会について考えることも非常に重要なのではないかと思いました。

新しい時代を拓く変革の多くが社会に対する怒りや大きな犠牲を伴って行われた数々の歴史を 私たちは持っています。それは善悪を超える事実であり,正直なところ多くの犠牲や痛みが伴わなければ変革にはなかなか至れないことを,人間としての悲しさや複雑な思いと共にいつも感じざるを得ません。けれども格差の厳しい環境の中で何もないところからこのような新たな流れを作り出された,何か底知れないマグマのようなエネルギーを多くの発表者の中から今回感じたこともまた事実です。 

日本でも私たちは東日本大震災を中心とした大きな変化のある時を迎えました。 ここから立ち上がるエネルギーは何か。何も持たないところから素手で立ち上がった彼らの 情熱の中から私たちが学ぶべきものも多くあるのではないでしょうか。 

 (上原)
 
※本コラムは、隔週で配信しております、信頼資本財団のメールマガジン「信頼資本財団メールマガジン」に掲載されたものです。

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