信頼創出イベント

過去の開催イベント

共感助成キックオフイベント『Q:未来を創る答えを持っていますか?』

2011年7月23日に、共感助成キックオフイベント『Q:未来を創る答えを持っていますか?』が開催されました。

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パネラーには、共感助成の第1期助成先の団体でそれぞれリーダーを務めていらっしゃる方々にお集まりいただきました。

安田 重雄氏(特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパン 事務局長)
渡辺 由美子氏(特定非営利活動法人キッズドア 代表理事
池本 桂子氏(特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 事務局長)
小野寺 達也氏(一般社団法人Japan Treasure Summit 事務局)
松浦 貴昌氏(特定非営利活動法人ブラストビート 代表理事)
吉岡 達也氏(ピースボート共同代表 PBV専務理事)

以上の6名です。

モデレーターは 熊野 英介(公益財団法人信頼資本財団理事長、アミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長)が務め、大変熱いディスカッションが繰り広げられました。

また、このイベントは入場無料の投げ銭方式で行われ、イベント終了後には活動に共感した多くの参加者の方々が募金をしていく姿が見られ、36,990円が集まりました。集まったお金は、共感助成の助成金になります。

オープニングの熊野からの挨拶では、孤独が人間にとって大きな不幸であり、信頼関係と共感でこれからの社会が作り上げられるべきであること、そのためには個人資産、志の資金が社会貢献のために回っていくことが必要であると力強く語られました。 

 

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パネルディスカッション 第1部: 各団体の紹介

◆「生態系に目を向けて人々の生活を取り返す『グリーン復興』を」
   アースウォッチ・ジャパン 安田氏

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我々は、震災にて被害を受けた河川、沿岸、干潟などの生態系を復興、またモニタリングする活動を行っています。

モニタリング調査のプロジェクトの目的は生態系を戻すことだけではなく、人々の生活を取り返すこと。東北大学の研究者と連携してデータを取り、「グリーン復興」の課題を発見することを目的としています。

活動詳細


◆「教育格差と貧困の連鎖を食い止めよう!」
  キッズドア 渡辺氏

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私たちが行うのは学生による、塾に行けない子供たちのためにボランティアで学習サポートを行う「タダゼミ」です。貧困の連鎖を断ち切るためのボランティアによる社会変革をする。日本の子どもの相対的貧困は6.4人に1人と、先進国中最悪の水準です。

日本の教育格差は急増しています。その傾向として、学力が最も高い層の割合は変化せず、学力の中位層が減少し、低い層が増加しています。その最下層は通常の社会生活に支障が出ることが国際的な研究で認められており、すなわち生活保護予備軍の増大がおきていることが読み取れます。これが世代で受け継がれ、学力低下という負のスパイラルを加速させている。

最近、子供本人からの問い合わせが多いのがとてもせつない。親御さんも涙ながらに支援への感謝を述べています。ただ、本格的にニーズが本格化する八月以降に向けて施設が足りない。会場の無償提供、寄付をお願いしたい。

活動紹介

 

◆キッズドア ボランティアリーダー 諏訪園氏

ひとり親家庭、働き手の失業世帯をメインターゲットに活動しています。高校に合格させることが貧困脱却の第一歩。彼らは勉強がしたくないのではなく、家計を支える労働などをしているために金銭的、時間的に出来ない生徒たちばかり。そこをサポートしています。

 

◆「人と人とが協力し合う仕組みづくりを進めています」
  シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 池本氏

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私たちは市民活動を支える制度を作っています。制度とは何か、ということを簡単に言うと、人と人が何かする時に協力し合う仕組み、ということ。1998年にNPO法が成立、これで法人格を取れるようになりました。

2001年に寄付金控除などを目指して認定NPO法を成立、但しまだまだ使いにくい制度であったので、繰り返し7回に渡って改正を続けてきました。また、寄付の信頼性向上のため、NPO会計基準を民間で制定、ファンドレイジング協会を発足。震災に対しては震災特別税制を実現、現場NPOと政府の定期連絡会議を運営しています。

そして2011年に成立したのが新寄付税制と改正NPO法成立です。これにより3000×100人で認定してもらうことができ、また税額控除最大50%近くのメリットがあります。これはアメリカにも負けない制度。制度がよくなったのだから、今度はNPOの側ががんばらなければならない。

制度は人を力づける道具。POは社会の課題を解決する。制度で市民の課題解決力をアップし、多様な価値観が共存しながら自由に活動していける市民社会へ変えていきたい。

活動紹介


◆「日本の学術芸術のためのファンドレイジングを進めたい」
  Japan Treasure Summit 小野寺氏 

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私は前に、東大の小宮山総長のもとでファンドレイザーをしていました。その活動の中で、小さな一つの団体ではなく、仕組みを変えていかなければと、学術芸術を発信していく団体を立ち上げることにしました。そこでシンポジウムとコンサートをミックスさせるイベントや、セミナーを開催。そこで参加者からどんな学術芸術活動になら寄付をしたくなるか、などといった問いを投げかけています。

大学という組織は、日本で最も巨大なNPOとも捉えられる。しかし、寄付の規模は海外の有名大学と比べて桁違いに低い。大学や公益法人は信頼性も高く、同窓会などの支援コミュニティもある。日本の寄付文化醸成の先頭に立てるのではないか。我々はそのお手伝いをしたい。

団体として、今後はファンドレイザー要請や、調査研究のシンクタンク、人材育成コミュニティとしての機能を持ちたいと考えています。

活動詳細


◆「最近、チャレンジしていますか?」
  ブラストビート 松浦氏 

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私たちは音楽×起業×社会貢献でチャレンジすることを大切にする団体です。私の自己紹介をすると、成績おちこぼれからバンドマンへ。高校生のころから何回かライブを主催し、やればできる、仲間とのつながりということを学んだ。

26歳で家庭の事情によりバンドを辞めビジネススクールへ、マーケティング会社を起業。たまたま目にしたNHKの番組で知った海外のブラストビートというプロジェクトに感銘を受け、日本で同様のプロジェクトを自分がやりたいと連絡し、この団体を立ち上げました。

ブラストビートは高校生が会社を作りライブの企画から運営まで行う活動。企画終了後は利益の25%以上を寄付する。社会人と大学生は口出しや指導を行うのではなく、メンターとして見守り、寄り添うことで、強い信頼関係を築き上げています。

音楽をトリガーに非日常のチャレンジを創出している。寄付先は3keysやセカンドハーベストなど、今後は多くのプログラムで音楽ビジネス甲子園を開催予定。世代間で学び合う仕組みも作っている。

活動詳細

 

◆「ボランティアは被災者を勇気づける光」

  ピースボート 吉岡氏

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普段は世界一周の船を出していますが、かつての神戸震災の時にスタッフが現地支援をした気づきから、世界的に災害救助に関わるようになりました。3/17から宮城の石巻入りし、支援を続けています。

震災から四ヶ月経った今でも、温かい食事が取れない、自衛隊撤退でお風呂に入れなくなるという人たちがいる。この国はどうなってるんですか!?という憤りすら感じる。また、女性ばかりに家事などの負担がかかる現地の状況、子どもへの虐待のような事例もある。

当初「ボランティアは早い」などと喧伝されたが、ボランティアは時期早尚でもなかったし、今もって十分でもない。初期に先方の受け入れ態勢が崩壊していたのは事実だが、それはイコールボランティアが必要ないということではない。

日本にはボランティア支援が迷惑にならないよう、事前のオリエンテーション、マネジメントする技術が圧倒的に足りていない。我々がやっているのはこういうことです。また、こういう活動には現地のパートナーが必須になる。先遣隊と現地の方との二人三脚スタートが信頼のコア。今は現地では蚊やノミなど虫の対策などが大変。蚊帳などは支援されない。

今は福島の中学生をピースボートに招致するプログラムを開始。原発からの疎開というネガティブな捉え方ではなく、国際交流というポジティブなテーマで危険な場所を離れられることが親御さんに評価されている。

ボランティアが頑張ることの意義は、単に作業が進むというだけではなくて、被災者の人たちを勇気づける力になることが大きい。暗闇から希望へ、人間関係からの癒し、次世代への語り継ぎの意味もある。

活動詳細

 

パネルディスカッション 第2部: 民(たみ)が民のための仕事をつくっていく

続いて、熊野がモデレーターとなってパネルディスカッションが行われました。

事前打ち合わせと大幅に異なったテーマで行われることになり、ゲストも当惑気味でしたが、非常に盛り上がるディスカッションになりました。

 シーズ池本氏は、自分が何かのために役立つことが出来る、ということに意義を見出す社会づくりということは、NPOがまさに今頑張って切り開こうとしていることで、既に始まろうとしているのではないかと述べ、議論に先鞭をつけます。

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続いてキッズドア渡辺氏が問題提起。教育がインフラから消費財になってしまっているということ。メディアや企業による責任もあるだろうが、自分の子さえ良ければいい、というところから一歩進んで、社会全体を良くしていこう、というように社会の意識が変わっていかないと、問題は解決されないという主張がありました。

話を引き受けたアースウォッチの安田氏が、現場でやっていることの意味を強調します。最初生態系の保護なんて言われてもまったくぴんと来ない。しかし、宮城の干潟に行って、すっと納得できた。事業ありきではなく、目の前にある問題や事象、それに触れることで、生物多様性にしても教育など他の社会貢献にしても、なるほどこういうことか、と腑に落ちる、そうやって人が変わっていくのではないか。

熊野が安田氏に対して、途上国の奥地での貧困生活の経験について水を向けました。
安田氏がそれを振り返って語ります。海外の田舎でも貨幣経済が流れ込んでくることによって貧富の差が広がり暮らしが穏やかで無くなる。日本が原始に戻ることは無理だが、足るを知る から始めてはどうか、と提案しました。 

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足るを知る、というところから、トレジャーサミットの小野寺氏が、日本には芸術的感性としての貧困もあると思うと指摘。また、お金の流れを考えるなら、パイの縮小や、世代間の信頼創出も検討必要ではないかと述べました。

今回の震災でNGOの初動が遅かったのはお金の問題。我々で言えば募金から始めたと、ピースボートの吉岡氏が言います。やれるところから工夫して始めていくこと重要性を訴え、NGONPOなどでも、大規模化して、予算が付くまで全く動かない、行政のような団体になるのではいけないと語気を強めました。

吉岡氏は続けて、我々はもっと怒りを持ち行動すべきではないか、国の税金というのは我々のものなのだから、その使い道をきちんとしてもらうのはオーナーシップの問題でもある。原発問題にしてもそうだ、と聴衆に投げかけました。

ブラストビートの松浦氏がそれを引き受けて、やはりチャレンジとはいっても孤独では難しい、仲間がいて、信頼、応援があり、関係性の中で実現していくことだと思うと指摘します。

最後に熊野が、四か月たっても対応が進まない震災の風景は過去のことではない、それは我々がこのまま社会に流された場合の将来の自分たちの姿であるでしょう。それを変えていくのは、昨日とは違う新しい私たち自身に他ならない、と締めくくりました。

『未来を創る答え』、これが何かはっきりと見出すことはできません。むしろ、日々の生活の現実の中から浮かび上がっては隠れてしまう問題を見極め、問題を解決して社会をよりよくしたいと思うみんなと連帯し、社会を変えていく、その運動自体が一つの答えであるかもしれません。

私たち信頼資本財団は、そういったひとつひとつの社会をよりよくするための活動と、問題意識を持ったひとりひとりを結び付け、よいよい社会を築く架け橋となろうと日々奮闘しています。

これからも、ご支援ご参画、よろしくお願いします!

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