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『世界のルールが変わる!』シンポジウム(2010年12月18日開催)レポート①

信頼資本財団と東京大学サステイナビリティ学連携研究機構は、このほど公開シンポジウム『世界のルールが変わる!』-人と社会を動かす利他x内発的動機づけ-を開催しました。

 

会場定員の240名を大きく超えるお申し込みをいただき、当日も満員の会場は熱気に包まれました。

 

本シンポジウムでは、持続可能な社会構築の実現のために、人と社会を動かす動機づけに着目し、人と社会を動かす動機付けが、従来の「利己× 外発的動機付け(お金や地位等)」から「利他× 内発的動機付け(人の喜ぶ顔が見たい、社会への貢献等)」へと変化するのか?つまり、これからの「世界のルール」がどのように変わるのかについてサステナビリティ学、社会心理学、経営学、金融、起業家という様々な視点から議論が行われました。

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開会のあいさつ

 

kumano-1.gif 大停滞時代の常識から

未来へ向けた良識への転換を

 

熊野英介:信頼資本財団 理事長

 

今世界では猛烈なる増幅機能を持ちながら、自然破壊、社会関係資本(人間関係等)の破壊が連鎖反応的に起こっている。また、現在の日本では、明治~昭和の初期まで日本人がもっていた、伸びやかな楽観主義がなくなり、小さなあきらめが大きな停滞を生んでいる。

 

小さな可能性でも、それに気づいた多くの人が集まれば、それを大きな希望に変えることができる、ということを証明するために信頼資本財団をつくりました。

 

今回のシンポジウムのテーマは「大停滞時代の常識から未来へ向けた良識への転換」ということになる。

 

 

■パネラー講演1   

住 先生(修正).jpg
サステイナブルな社会建設を目指して

--人間関係の役割

 

住 明正 氏

東京大学サステイナビリティ学連携研究機構

地球持続戦略研究イニシアティブ統括ディレクター・教授 

 

 

我々は、どこに向かうべきか?を考える際には歴史的な認識が重要である。歴史の中で科学・技術の在り方も変化してきた。歴史とともに問題自身も進化する。知識の集積が、新たな問題を引き起こす(知識と問題の共進化)。21世紀は持続的成長の時代であり、現代および21世紀が抱える課題に立ち向かうために、サステイナブル・サイエンスが必要となる。

 

無限に指数関数的に成長しないことが自明な中、歴史的な考察から戦争などの大きなCollapse(崩壊)が調整過程として発生する可能性がある。しかし、それらは決して楽しいものではないので、知性と理性のもと、より楽しい調整過程を考えられないだろうか?そのためには、哲学、そして欲望のコントロール(管理)が必要だ。

 

我々が今まで努力してきたのは、人々の幸せを実現するためだった。昔は、モノがなかったので、モノをつくり、お金を配ることが幸せにつながった。しかし、今は、需要が足らないことが課題だ。

 

サステイナビリティとは、自然が毎年与えてくれる範囲内で考えることだ。技術の発展は、サステイナビリティを考える時間スケール・空間スケールを延ばした。このスケールをどのように設定するかが重要だ。

 

我々は、単純に、自然の上に住んでいるわけでは無く、自然システム(グローバルシステム)、社会システム、人間システムの中に生きている。したがって、それらを総合的、複合的に考える必要がある。また、これらのシステムは相互作用しているため、よりよいバランスの上に成り立つようにすることが重要である。

 

物と心、つまり物質的な条件と精神的な条件の調和が必要だ。これは、どちらが大事か、という議論ではなく、どちらも重要であるということである。

 

21世紀の世界はどうなっていくのか?と考えた場合、まず国際関係の中の日本の位置を考える必要がある。そして、日本の目指すべき国家モデルを国民一人一人が考える必要がある。そのひとつが、新日本改造論ともいうべき、省エネルギー、省資源、自然共生という拘束条件の中で、国土の均衡ある発展を目指す姿である。そのためには、発展の再定義が必要である。昔は、物とお金が増えることが発展といたが、今は、そうではない定義が必要だ。また、21世紀の終わりには昭和初期の日本と同じ規模の7000万人の日本をイメージしておく必要がある。

 

まとめとして、現在は過渡期であり、問題自身も変化している。したがって、問題対応型科学が必要である。そしてそこでは、コミュニティやコミュニケーションに注目し、「情」のウェートを重視し、「情」を組み込んだ社会システムの構築が必要だ。そのためには、「知と情」、「足して2で割る」というような対立するもの統合していくようなアプローチが必要となる。

 

■質疑応答

 

熊野:全体を通じてモノと心のバランス(調和)をおっしゃっていたが、マズローの5段階欲求の中で、「自己実現」をした人、例えばアメリカの例でいうと、自己実現をした多くの人が次に行いたいと思うのが「社会貢献」です。したがって、社会貢献をすることが人間の究極の欲求となり得るか?

 

住 :昔ある雑誌で日本のお金持ちを調査した結果では、お金を儲けようと思った結果、お金持ちになった人は非常に少なかった。反対に好きなことをひたむきにやっていた結果お金がたまったという回答が多かった。したがって、「人のために」ということではなく、自分のやりたいことをひたむきにやる、というのが本当なんだと思う。そして、それが結果として世の中のためになっているということだと思う。私が好きな孔子の言葉に「心の欲する所に従うて矩(のり)を踰(こ)えず」というものがある。それぞれが、好きなことをしても、結果として世の中のためになっているということが大事だと思う。

 

 

【他の講演レポートも是非お読みください】

・パネラー講演2 山岸 俊男 氏 レポート

・パネラー講演3 鎌田 恭幸 氏 レポート

・パネラー講演4 渡邉 幸義 氏 レポート

・パネルディスカッション レポート

 

 

 

 

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